概要
検査室では、病気の診断や治療効果の確認など、様々な目的で医師からの指示の下に臨床検査技師が検査を行っています。 外来患者様の採血や検尿などの検体検査や、術前検査としての心電図や肺機能検査などの生理機能検査があり、また手術室では術後神経合併症予防の為の術中神経モニタリング検査も担当しています。
検体検査
生化学検査
即日データが必要な項目は、院内にてドライケムによる分析装置で測定しています。 院内で行っていない検査は外注にて検査センターへ依頼し、医師の必要とするデータをスムーズに報告できるようにしています。
血液検査
即日にデータが必要な場合、自動血球分析装置にて赤血球数や白血球数、血小板数などを測定しています。
一般検査
尿定性検査を院内にて試験紙法で行っています。
輸血検査
術前検査として血液型検査(ABO式検査、Rh式検査)を行っています。 また手術時、輸血が必要となった場合、安全に輸血を行うために交差適合試験を行っています。
生理機能検査
心電図・心エコー
検査や手術の前のスクリーニング検査として、心臓の機能検査を行っています。
呼吸機能検査
肺活量、一秒率等を測定して肺の機能を調べる検査です。
ABI(Ankle Brachial Pressure Index / 足関節上腕血比)
両腕と両足首の血圧を測定し、その血圧の比を計算することによって下肢動脈の血管の狭窄を調べる検査です。 下肢の痺れや痛み、腫れや冷え等がある場合、検査をします。
神経伝導検査(NCV)
手腕や足の神経に電気的刺激をして神経内に伝わる速さを測定し、神経障害の有無や程度を検査します。主に脱力感や痺れ、痛みなどを感じる方に行います。
下肢エコー
下肢静脈の血栓の有無を確認する為の検査です。
術中神経モニタリング検査(Tc-MEP・SSEP)
脊椎の手術における合併症の一つである、神経の障害や麻痺を予防する目的で行われる検査です。 手術中にリアルタイムで神経の状態を確認することができます。
術中神経モニタリングシステム
脊椎手術を行う際、ほとんどが全身麻酔で行います。
以前であれば、麻酔を覚ますまで手足の動きを確認する事ができませんでした。
術中神経モニタリングが普及してきた現在では、術中に頭から電気刺激を加えることで、手足の筋肉が反応しているのかチェックし、術中に神経の問題が起きていないか確認できるようになりました。 当院ではいち早く術中神経モニタリングシステム(下図)を取り入れ、神経損傷のリスクを低減しています。
脊椎固定術を行う場合、神経の近くにスクリューを設置しなくてはなりません。 その際に、神経損傷のリスクを低減するために専用の器具(下図)を用いて神経との距離を確認しながらスクリューを挿入していきます。